
トランプ氏が不動産王になったわけ
第45代アメリカ合衆国大統領となったトランプ氏は、全米にホテルやカジノ、ゴルフ場などを有する不動産王として知られています。彼は実業家としてどのように名を成したのか、その経歴や手法などを中心にご紹介します。
☆父親の経営する不動産会社からスタート
トランプ氏はニューヨーク生まれで、名門ペンシルバニア大学ウォートン・スクールを卒業。最初に父親の経営する中低所得者向け不動産会社に入社しました。そこで不動産業に関する知識を身に付けた後、中流・上流層向けのホテル、オフィスビルなど、商業施設などの開発を行い、大成功を収めました。1980年代から90年代にかけて、次々と大規模な不動産を買収して、全米でトランプの名を広めていきました。
トランプ氏はスケールの大きなビジネスを好み、高級ホテルのオーナシップを提供している「トランプ・タワー・ワイキキ」、ゴルフコース「トランプ・ナショナルGCロサンゼルス」など世界中の大規模な不動産や商業施設を手掛けています。トランプ氏の代名詞ともなっている高層ビル「トランプ・ワールド・タワー」は、高さ202メートル、58階建て。商業テナントと有名人や有名スポーツ選手が多数暮らしている超豪華マンションで構成されています。
☆大規模な好立地の物件をメインに
トランプ氏は米国のニューヨークやラスベガス、ワイキキ、アトランティックシティなど大きな都市や観光地などの好立地の不動産を建設・所有しています。物件はほとんどが新築で、アクセスもよい好条件です。こうした物件は入居率が高くなり、収益性の安定が見込めます。トランプ氏はこうした物件を、積極的な投資や開発で積み上げてきた豊富な資金力で扱い、さらなる成功を収めています。
不動産王としての経歴は、必ずしも順風満帆ではなく、巨額の債務に苦しんだ時期もありました。1980年代には、航空会社などの新規事業で借金を抱えたり、カジノやホテルが倒産したりしましたが、その度に復活を遂げてきました。
☆巧みなメディア戦略が功を奏する
大統領候補としても同じことがいえますが、経営者としてのトランプ氏も常識にとらわれない自由な発想で、挑戦者や新しい風、旧来の悪い習慣を打ち破ってくれる人などの肯定的なブランドイメージを定着させるのに成功しています。
また、トランプ氏は不動産ばかりでなく、衣料品や外食産業、大学経営まで手掛け、そうしたものまでトランプの名を付け、総合的にブランドイメージを強化。自分自身をブランド化しています。
そして、過激な発言や敵をつくることも構わないとする姿勢で、メディアへの露出も多く、センセーショナルに売り込んでいくことが功を奏しているといわれています。ひんしゅくを買うことも多いが、自分の良い面も社会に認知させていく。自分自身がブランドになり、多くの人々の成功への憧れや不満な気持ちをうまく吸収しながら成功を収めているのです。
☆最悪の状況を見越しながら計画を準備
大胆な行動や発言のイメージが強いトランプ氏ですが、不動産の取引は意外にも慎重なようです。不動産の取引について、彼は「常に最悪を予想して取引に臨む」と話しています。彼は一つの取引に臨む際、成功させるための計画を5、6パターン用意しているといわれています。最大限のリスクを考えながら、複数の計画をしっかりと練り、取引に臨んでいるようです。
☆参考にすべき点も多いトランプ氏の手法
大胆不敵、過激なイメージが強く、さまざまな面で注目されることの多いトランプ氏ですが、経営者としての手法を見てみると、スケールの大きなビジネスなど派手なイメージの一方で、念入りに計画を準備するなど慎重な面も併せ持っています。不動産業で働いている人、これから不動産業への転職を考えている人にとっても参考になることが多いのではないでしょうか。
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